相続税の課税対象になるもの

生命保険

死亡保険金は相続される財産ではないのですが。

生命保険で死亡時に支払われる保険金は、故人の財産ではないので相続税の対象に ならないのが基本ルールですが、中には例外もあります。 故人が備えとして毎月なり掛け金を支払ってきた生命保険ならば、死亡時には 指定された受取人に普通に満額支払われ、それに相続税はかかりません。 ですが掛け金を故人ではなく被相続人が支払っていた場合はその限りではなく、 相続財産とみなされますので注意しないといけません。 保険金は保険会社から支払われるもので故人から相続されたり引き継がれるものでは ないのに、どうしてそうなるのか疑問に感じるかもしれませんが、そこは保険料を 誰が負担していたかにもよるのです。 一般的には本人が保険料を支払い、残された身内が保険金を受け取りますというのが よくあるパターンでこれは課税されることはありません。 被相続人が保険料を支払っていた場合、つまり死亡時の保険金の受取人が掛け金を 負担していた場合に適用される例外がこれで、みなし相続財産と呼ばれます。 保険金に関わるトラブルはテレビ番組や刑事物の映画や小説でもおなじみですし、 悪意を持って小細工をする人も後を絶たないのでこのような処置をされているのでしょうか。 生命保険はもしも自分に何かあったときに残される家族のためにかけておく保険 なので、掛け金は本人が支払うのが筋と考える人がほとんどです。 親が幼い子供の保険料を払う、というパターンもありますが、これは死亡補償を 考えてのことではなく医療保障が欲しいからというケースでしょう。 ケガや病気で入院するかもしれないから保険に加入しよう、が動機であり「もしか したらこの子の寿命は短いかもしれないから生命保険に入っておこう、保険料は 私が支払うわ」「この子が亡くなった時に寂しい思いをしないよう、生活が苦しく ならないように死亡保険に加入させておこうかしら、親の負担で」との理由で 自分の息子や娘を保険に入れる親はあまりいないので除外します。 生命保険の受取人が保険料の支払いをしているケースはイレギュラーとみなされ、 通常の死亡補償とは異なり相続税の対象になる、のです。 しかしそういったケースはそんなに多くはありませんので、普通に生活をしている 一般人には無縁の話と思っていてもいいでしょう。 生命保険には拘りがある、いろいろな知識を持っているから有利になりそうな 保険契約をあちこちで結んでいる、財テクの一環として親や祖父にも生命保険を どんどんかけて自分が支払い、近い将来保険金を受け取るつもりだ、という保険 マニアはまだ日本にはそれほど多くはありませんし、成人男性、成人女性の中で 生命保険に加入している方の90%以上は自分で保険料の支払いを行っており、 みなし相続財産に当てはまるような保険のかけ方をされているのは少数です。 近年では自分にかけられる貯蓄型の生命保険のプランも外資系の保険会社を中心に 増えていますし、財テクのために自分以外に保険をかけるという手法はあまり実行 されなくなりつつあるかもしれません。 場合によっては相手に不快な思いをさせてしまいますし、人間関係も悪化させて しまう恐れが少なからずあるでしょう。 「その掛け金を支払ってるのは私が死んだ時に保険金を受け取るためのものなんだ よな、本人である自分は一切お金のやり取りをしてないのになんだか変な気分だ、 もしかして早く旅立つことを望まれているのかとモヤモヤするよ」と考えさせて しまうこともあるでしょうし、長生きして欲しいと思われていないのではないかと 感じさせてしまうこともきっとあるでしょう。 納税で悩ましい思いをするだけでなく、本人の気分を害する危険もあるので、みなし 相続財産になるこの手の生命保険は避けられるのなら避けたほうがいいのかもしれま せんが、節税になるのなら使わない手はありませんし迷ってしまいますね。